医療・福祉

【妊娠税!?】妊婦加算とは?本当にやめるべきか?その背景と理由を考えてみた

少し前、話題になっていた妊婦加算

ネットやSNSでは

「なんで妊娠したら余計にお金がかかるの!?」

「少子高齢化対策と逆行してるじゃん!!」

「事実上の妊娠税」

「逆に安くしろよ!」

などと散々に叩かれていました。

コンタクトレンズ処方にさえ加算された!などの批判の声が多いことから厚生労働省は「いったん取り下げ」を表明しましたね。

妊婦加算の本来の目的はなんだったんでしょう?

本当に撤廃するべきなのでしょうか?

今回はそんな妊婦加算について背景や意図を少し考えて見ようと思います。

妊娠加算〜診療報酬との関係

普段から病院に通ったり、医療関係の仕事をしていないと「診療報酬」というものに少し戸惑いがあるかもしれません。

「診療報酬」とは簡単にまとめると、病院の収入に当たる点数のことです。

要は病院の売上ですね。日本は国民皆保険制度を取り入れているので国が定めた保険診療を行うことで点数になります。

医師、看護師、薬剤師などコメディカルの働きを点数に置き換えているんですね。

これは国が定めるものなので、

国の医療政策を実現するため、診療報酬を使って誘導している

と言ってもいいと思います。

その診療報酬ですが2年に1回改定されていて、この前の改定で妊婦加算が追加となりました。

妊娠加算の内容

診療報酬の改定で追加となった妊婦加算ですが、その内容とは以下のものとなります。

妊婦の外来診療について、妊娠の継続や胎児に配慮した適切な診療を評価する観点から、初診料等において、妊婦に対して診療を行った場合に算定する妊婦加算を新設する。

妊娠中の患者が外来を受診したとき、産婦人科などに関わらずどの科を受診しても、初診時75点、再診時38点を算定できる。

というものです。

これは母子健康手帳などの確認が必ず必要な訳ではなく、医師が妊娠していると診断すれば加算が取れるそうです。

妊婦さんに対しては特別な配慮が必要です。母体に対してだけではなく、お腹の中にいる赤ちゃんにも気を配りながら検査や薬の処方をしなくてはならないんです。

母体にも胎児にも特別なサービスをして安心安全の医療をしよう!

というのを実現していためだと思います。

妊婦加算の導入の背景は?

妊娠中の母体には様々な変化が起こることなどから、健やかな妊娠・出産のためには妊娠中の健康管理が重要です。

最近では出産年齢の高齢化もあり特に健康管理が重要になってきました。

そこで特に留意を要する点から妊婦加算が新設されました。

今までもそれが行われていなかった訳ではないですが、産婦人科など専門の医師がいない科では

何かあった時に責任がとれない。専門外だから。

と妊娠患者の受診を拒否する医院も存在したそうです。

もちろんあってはならないことですが、医者も看護師もボランティアで皆さんの健康をずっと守って行ける訳ではありません。

そこで国は「加算とっていいから周産期医療に参画してね」と誘導しているのかもしれませんね。

妊婦加算は悪なのか?

「事実上の妊娠税だ」とか「逆に安くしてよ!」などの意見が出てしまうのはわかる気もしますが、必ずしもそうでない気もします。

現時点で、妊婦加算の他にも小児加算や生活習慣病管理料など患者さんの年齢や状態に合わせた加算はいくつかあります。

そのような加算に「子供税だ!」とか「生活習慣病罰金」みたいな意見が出るのでしょうか?

妊婦加算と聞くと弱者からお金を吸い取っている!と聞き取れる面もあるかもしれません。

ですが特別なサービスに対してお金を払うというのはごく当たり前のことのように感じます。

妊婦加算。なぜこんなに炎上したのでしょうか。

そもそもなぜこんなにも騒がれてしまったのでしょうか?

・それは診療報酬などの改定に関与する厚生労働省など関係機関が国民に十分な説明をできていなかった。

・国の政策である「少子高齢化対策」に逆行しているように感じる

この2点は大きかっと思います。

診療報酬が改正され施行される際に患者さんに対して十分な説明ができていなかったために、急に負担が増えたと感じさせてしまったのでしょう。

また国策として少子高齢化を掲げていますが、それを妨げるようなことをしたと感じられてしまったのでしょう。

その辺はもう少しうまくやる方法があったかもしれませんね。

まとめ

妊娠加算について根本厚生労働大臣は「妊婦の診療に積極的な医療機関を増やし、安心して医療を受けられる体制の構築につながることを期待していた」と説明していました。

妊婦に関して、医療者側の知識の不足が今回の加算を招いてしまったのかもしれません。

その一方で医療はどんどん専門化し医療者が全ての分野に精通するのは難しい時代となっています。

国民の皆さんはその辺もしっかり自覚した方がいいですね。

今回は妊婦加算についてですが、安全でより良い医療を受けるためにはそれなりの投資も必要です。

現代の医療はどうしてもお金がかかります。

もちろん高額医療に対して補助が出たりと様々なサービスも利用できます。

個人がよく調べ行動することが医療をよりよくしていくのではないでしょうか。

医療が高度化し、人口が高齢化していく中、

妊婦加算のような特別な配慮に対する加算が今後増えるかもしれません。

ある意味それは仕方のないことです。

それをどう受け止めて考えていくかが大切ですね。